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小道を抜けると広い庭にたどりついた。
そこが庭とわかった理由は目の前に和風の家があったからだ。
庭には自然に生えているのか、ここの住人が植えたのかわからないが、たくさんの花が咲いていた。
地面に咲いている花1つ1つを見てみるが、自分の持っている花びらとは明らかに大きさが違うものだった。
「ないなぁ。」
ポツリと呟き、帰ろうかと思いもう一度辺りを見回したとき、庭の端にある木が目に入った。
正確にいうと、木よりも木の枝に大量にとまっている白いものに目がとまった。
「鳥?」
にしては多すぎるだろうと思いつつ、ゆっくり近づく。
近づいていっても鳥が逃げる様子はない。
ついに木の目の前まで来た。
鳥は1羽も逃げない。
逃げるわけがないのだ。
近くでみてわかった。
これは鳥ではない。
「花?」
花びらが大きくふっくらと膨らんだ花は、遠くから見れば真っ白な鳥に見えた。
ふと、自分の手の中にある花びらと木に咲いている白い花を見比べた。
「この花だ。」
まぁ、こんな大きな花びらがあんなところまで来るものだと感心したとき、
目の前が真っ暗になった。
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