真・人間失格

恥の多い人生

妻はほどなくしていなくなった。二人の子供をつれて。
いや、実はこの時三人目がお腹にいた。そこまでわかっていても妻は出ていった。
半狂乱の夫を残して。
それから僕はスロットをやめた。いや、金がないからいけなかった。昼間から酒を飲み、食べることをせずにただ毎日無駄な時間を過ごした。
僕の時間を埋めてくれたのは悲しいかなドラクエだった。Wiiでファミコン版のドラクエができた。

何気なくやり初めてあることに気づいた。
勇者は薬草を買うにも宿に泊まるにもお金を払う。
そしてそのお金はモンスターを倒して手に入れるのだ。
言わば勇者は現代のビジネスマン。さらに強力な武器を買う時には宿に泊まらずに昼夜問わず戦い続けた。
僕はこういうことをしなかったから駄目になったのだ。

僕はドラクエで言うならばカジノに入り浸っているオッサンだ。
世界が魔王の恐怖につつまれているにも関わらずカジノで遊んでいるオッサンだ。

勇者様を見習おう。
ドラクエをしながらなぜか涙が出た。