恥の多い人生

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僕は仕事をするつもりでいた。 だが、気がつくと僕の足はパチンコ店に向いていた。 少しぐらい羽のばしてもいいかな。そんな軽い気持ちで座った台は「スパイダーマン2」。RTを搭載した当時のハイスペック機だった。 ボーナスはビッグとミドル。ミドルでも150枚ぐらい放出される上にボーナス後はRTに突入する。その間にさらにボーナスを引ければ出玉を減らすことなく次のボーナスを得られる。 僕はこのスパイダーマンでかなり勝った。大きな時で八万円ほど。 RT機はまだ続いた。 「リングにかけろ1」 「仮面ライダー」 設定6なら機械割は120に近い。 万枚は追えずとも5000枚ならば射程に入れることはできた。 この出玉を何度か経験した時、僕はもう完全に店にとって「いいお客様」になっていた。 そして妻に嘘をついた。 日払いのアルバイトが決まったと。
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