追いかけるだけの恋

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最初はキライの類いだった。 頭が固いところも 背が際立って高いところも 偉そうに指示を出すところも 全部 全部―――― でも、それも入部して2ヶ月過ぎた頃からか、ある気持ちへと変化していった。 ――ダンッ 「「「「よしっ!!」」」」 綺麗な射形で的を射ぬいた彼の背中が、今は誰より輝いて見える。 これが恋心なのだと自覚するのに多少の時間を要したが、それに気付いたところで私にはどうすることもできないことも知っていた。 なぜなら―――― 「しょうまぁー!!」 立射の最後の作法である一礼を終えた彼はその甲高い声に振り返る。 そう 彼には恋人がいるのだ。
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