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「随分、再建できたな。」
「そうね。」
あれからどれだけ経ったのだろうか。
あの頃の混乱が嘘のように平和になった。
電線で小鳥が囀り、朝日は街を清々しく照らし、道は通学、通勤する者で交差していた。平和そのものだ。いいことだ。
「ねぇ。」
「ん?」
「私、あなたと会えて良かった…。」
「……歯ァ浮くわ…ったく…。」
「赤くなって…説得力ないわよ?昔っからそうなんだから。」
「…フン。」
春奈は俺の手を握った。
「…そろそろ、行こ。」
「…そう…だな。」
俺たちは、互いにしっかりと握った手を繋ぎながら…
光へ…
新しい世界へ…
…歩み始めた。
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