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腹も膨れたところで、また窓の外を見ることにした。   相変わらず、だった。   俺は引き続き、情報収集を始めた。     《K国のミサイル、失敗か―――大気圏を通過し、衛星軌道に乗る。A国、撃ち落としの準備を開始》     ……どこをどう間違えたらそうなるのかよく分からないが、とりあえず死の不安は拭えた。   …が、一度火がついた町中のパニックは収拾するはずもなく…殺人、強姦、強盗…悪事の限りが尽されていた。   「チッ…」   不愉快だ。   途端。   「おにぃちゃん!なんかしてあそぼー!」   …この女だ。 …人間というものは一度に許容量を遥かに越えるストレスを受けると、防衛本能で本来の人格を封印し、別人格を表に出すと言う。   この女の場合、幼児退行することで本来の人格を守ったのだろうか。   「なぁ。」   俺は女に尋ねた。   「どうやって、逃げてきた。」 「あのね、わたしね、こわいおじちゃんにね、おようふくをとられそうになったの。」   ……。   「おじちゃんが、すごくこわかったからね、にげようとしたらね、たたかれたり、けられたり、かみをひっぱられなの。」   ……。   「だからね、ようじくんにね…たすけてもらおうと…おもっ…て…おおごえ…だしたんだけ…ど…」   ……。   「…ぐすっ…きて……ひっ…ひっ……くれなかっ……た………ふぇぇぇっ…ぇっ…ぇぇっ……」   ヨウジ……。 俺の、名だ。
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