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ビー!、ビー!、ビー!
けたたましいサイレンが、薄暗い部屋に木霊する。
回転する赤いランプに時折照らされる七沢 美奈子の顔は、恐怖で青ざめていた。
(チクショウ、なんだってのよ!)
美奈子は先ほどからこの部屋に備えられていた端末を死に物狂いで操作していた。
(まさか、こんな事に巻き込まれるだなんて…。役人どもめぇぇ…。)
彼女は某研究所の所員である。
今日は政府の協力の下、古代のオーバーテクノロジーが眠ると言われている遺跡の調査に当たっていた。
今までは政府の管理下にあった土地で、民間の立ち入りが一切禁止だったこともあり美奈子は最初「眉唾だろう」とたかを括っていたが、中に入ってその考えは覆された。
長い時間の中であちこちが腐食してはいるものの、部屋の間取り、設置してある機器や端末から、ここが古代の研究所であった事が分かった。
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