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私達は急いで車から出た
隣にも車の中で待機状態の人が居たのでおかあが声をかけてから逃げた
うちはどこに行けばいいか分からなくなって一瞬振り返った
その時微かに……
見えた気がする
茶色い水
いや、黒に近い色
それを見た瞬間
"本当にやばいんだ"って
"死ぬかもしれない"って思った
走ってると
「こっち-!!!!!!」
「あがれ-!!!!!!」
「走れ-!!!!!!!!」
と歩道橋の上から言われたから
すぐに歩道橋へ行った
なんとか
歩道橋の上に行くと
沢山の人が下を見ていた
なぜなら…そう、
うちら家族が上がって
ちょっと経ったらすぐに
津波がきたから……
うちも
歩道橋から見ていた
車が何台も何台も何台も流され
柵がなぎ倒され
金属がきしめく音
まるで町が海の中に沈んでいくみたいに黒い液体がどんどん町を飲み込んでいく
その中には
ガソリン、ガス、油が
入り交じっていた
プロパンガスは
"プシュー"っと音を出しながら
何個も流れてゆく
きっと
今ライターなんかつけたら
爆発するだろう
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