心配した話

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次に隣町に行く道。 高校とは逆方向。 行く可能性は低い。 しかも、すぐのところに、なかなかの傾斜の橋があり、のぼるのは結構しんどい。 越えたところで高校生が行きたそうな場所などほぼない。 しんどさと、遊べる場所がほとんどないので除外。 残り2本。 これが厄介だ。 どちらの道からでも、ほぼ同じ距離で高校に行ける。 ただ片方は国道で車通りが激しい。 もう一方はほとんど車が通らない。 僕なら交通量の少ない方を選ぶ。 よし、そっちだ。 行く方向を定めたくらいの頃に家についた。 玄関を開け、下駄箱の上から鍵をとる。 原付の鍵だ。 すぐに原付にまたがり、エンジンをかけ、決めた方向へ走り出す。 しばらく行くと、並走する2台の自転車が視界に入る。 後ろ姿からでも、わかい男二人だとわかる。 コンビニで見かけた奴なのか、そして自分の自転車なのか、確認は出来ない。 だが田舎なので人を見かける事の少ない町。 現に、その2人組を視界にとらえるまで、歩行者はおろか、車1台とすらすれ違っていない。 確信はないが、違いないと断定。 2台が走る歩道に、原付のまま進入、背後から近づく。 近づくにつれ、1台が自分の自転車の色と同じ事がわかり、見た目はどこにでもあるママチャリだが、もう自分の自転車だと勝手に確信する。 そのまま、原付ごと、自分の物と思われる自転車に後ろから突っ込んだ。 30kmくらい出てたかな? 乗っていた高校生は、おもしろいほどに、まるで漫画のワンシーンの様に、衝撃で黒ひげ危機一髪の黒ひげの様に自転車からぶっ飛んだ。 ちょっと笑えるくらい綺麗な飛び具合。 3mくらい飛び、横の田んぼまでぶっ飛んだ。 時期が悪く、田んぼに水がはられていなかったのが残念だ。 が直後ものすごく心配になった。 そう、自分の自転車が。 今のでこわれなかったかなと。 高校生なんてどうでもよかった。 自転車は無事でした。 まぁ警察にでも見られてたら僕逮捕ですけどね。 普通に人身事故です。
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