般若心経は夕暮れに…

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「えー!今の話聞いてなぜそうなる!」 修が飛び上がるかと思うほど驚き、腰を抜かすと爺さんはいつになく真剣な表情で修にいった。 「修や……。それは仏様のお言葉じゃ。 その通りにしておれば必ず良いことがある。 やってみなさい。 わからなければわしが教えてやるからのっ」 仏の言葉!? 納得など出来るわけがない。 仏とは偶像であると歴史も一般常識ですら言っている。 だが一般常識や歴史どは先ほどの声の説明がつかない。 つまりは納得せざる得ないのだ。 更に爺さんは瞳を輝かせ、期待の目で修を見つめているときた… もはや修に逃げ道などなかった。 「わかったよ…じいちゃん…」 「おぉ!わかってくれたか!流石は我が孫!頑張るんじゃぞ!」 こうして毎日朝、昼、晩と般若心経を写経することとなった修は爺さんの教えのもと、少しづつだが着々と般若心経を覚えていった。 そして…運命の日がやって来た。 修は学校からの帰り道、ふと般若心経を写経したノートを忘れた事に気づき、教室へ戻ることになる。 「やべぇ…あのノート忘れたら爺さんがうるさいからなぁ…」 などといつもの独り言を言いながら学校の廊下を走り、教室へ向かう。
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