恋人の死

1/6
前へ
/8ページ
次へ

恋人の死

マコトが死んだ。 その知らせを聞いた時、不思議と涙は出なかった。 それよりも絶望の方が大きかった。 「…歩、聞いてるか…?」 電話の向こうで、マコトの兄貴のケンちゃんの声が心細そうに響く…。 あたしは喉がカラカラに渇いてしまって、何も言えなかった。 「歩…」 「…」 あたしの手から受話器が滑り落ちる。 …信じられない。 マコトが死んじゃった…? 有り得ない。 そんな事実、あたしは絶対に認めたくない…。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加