序章

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 数十年前に作られ、今ではザールブルグの名所の一つにもなっている。  アカデミーには、初めは入学試験というものはなかった。  アカデミーとしても魔術や錬金術を世に広めたいという名分があったから来るものは拒まずといった精神で受け入れていた。  また、人々もそれほど関心をしなかった。  それほど文化が発達していなかったのだ。  だが、魔術の便利さが理解されるようになると年々入学希望者が増加するようになった。  そしてついにはアカデミーのあらゆるキャパシティを脅かすほどになってしまった。  そこでやむなく数年前から入学試験を導入したのだった。  そのアカデミーの入口で、一人の少女が腰を下ろしてうずくまっていた。  少々野暮ったい服装から、ザールブルグの住人ではないことが伺えた。
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