序章

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 むろん、制服のあるアカデミーの生徒ではない。 「あ~ぁ……」  少女は顔を伏せたまま傍らに転がっていた石を投げた。  石は不規則なバウンドをしながら転々とし、アカデミーの入り口から出てきた女性の足元で止まった。  女性は立ち止まると石を見、そして少女を見た。 「どうしよう。みんな期待してたのにな……」  誰に語るのでもなく、力無くつぶやく。  彼女の脳裏に今日あった出来事が次々と浮かんだ。  と、そのとき、 「あなた、どうしたの?」  不意に呼び止められ、少女は顔を上げた。  見れば少女の頬は涙でぬれていた。
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