序章

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 エルフィールはイングリドの言ってることが即座に理解できなかったが、 「寮生は、アカデミーからいろいろ生活に必要なものが支給されるのだけれど、条件付きの生徒は勉強する傍らで、生活するために働いてお金をかせいだりするのよ」  という台詞で合点がいった。 「でも、生活出来なくなるようでしたら……残念だけどアカデミーをやめてもらうしかないわね。アカデミーは何の手助けもしてあげられないから」  イングリドはエルフィールの顔色を見ながら言葉を続けた。 「1人で生きる事は、大変な事よ。どうやってお金を稼ぐのかもそうだけど、何か問題があったときに助けてくれる人や手伝ってくれる仲間を早く見つけないと。  あなたやっていける自信はある?」 「自信は無いです……でもやらなきゃならないんです」  イングリドの問いに、エルフィールは少々小声で、しかし強く言い切った。
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