第一層 クラウド・ビギニング

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 簡単に言おう。  メビウスの輪は、俺たちに味方しなかった。 「……なんじゃこりゃ……」  そこに広がっていたのは、真っ白な空間だった。  だが、それ以外にもあった。  何かって? 「通路が……四つ。しかもこのどれも全てが移動する……だと?」 「どうやら、この四つの通路全てがテレポーターの役目を担ってるっぽいね。……だから、ポート番号を逐次に変更して、行なっている。それなら理由も付く」 「なんでお前科学的な知識がそう簡単にばんばん出てくるんだ? ……まさか現実世界では結構な」 「いやいや、俺はただのしがない高校生だったよ。ただ、パソコンが好きだから、いろいろとやってただけさ」  とりあえずだな。 「……これをどうする?」  ――ひとまずの俺たちの目的。  この迷宮、どう『攻略』する?
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