第四層 ギルド・スキュア

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 恐らくプロフェッサー・ミルクの場所にたどり着いたと俺が思ったのは、メイドに連れ去られて一分程経った時のことだ。大きな部屋に連れていかれ、無造作に床に置かれた。もう少し優しく置いてくれ。こちとら女性が二人居るんだぜ? 「あんたらが再教育認定者か」 「……そーいうあんたはプロフェッサー・ミルクだな?」  俺のずっと向こう――部屋の壁際にある机に座ってワイングラスを傾けている女性が居た。  恐らく彼女がプロフェッサー・ミルクでこの事件の犯人であることは間違いなかった。 「……ところで、再教育してもらいたくて来た訳ではなさそうだが?」 「当たり前だ。ひとつ聞きたいことがある」 「言ってみろ」 「お前、『大人を子供にして』何がしたいんだ?」  俺の言葉を聴いて、女性は嗤い出した。そこまで笑うことでもないだろう。普通の感性を持つ人間だったら尚更。 「そうか。そうだなあ。君たちには解らないだろうが……子供とは非常に扱いやすいものなんだよ。特に幼児だ。幼児こそ、扱いやすい。力こそ無いが、なんでも命令を聞くよ。それこそ、私を親だと思い込んでるのかもしれないがね」
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