プロローグ

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「皆さんに課せられた任務はただ一つ。たった一つ。それだけをやってくれればあなたたちは解放されます」  ほほう、そうきたか。分かったぞ。さあ、言ってみろ。 「ここから、脱出してください」 「まんますぎるじゃねえか!!」  ちくしょう! ここにあいつがいたらジャーマンスープレックスでもかましているのに! なぜここにいない!  ――おっと、気を取り直して、今あいつはなんて言った? 「繰り返します。ここから、脱出していただければ私はもういいのです」  何がいいんだ? 誰のため? それは勿論あの『マスター』とやらのためだろう。しかし、なぜこれをする? しかも、テレビをして大々的に行なったからには、他にも人間がいるのだろうし。 「――では、幸運を祈ります」  その言葉と一緒にテレビの電源は落ち、後ろにある扉が重々しく開いてそっからクソッタレなほど生ぬるいどろどろの空気が送り込まれてきた。どうやらこの部屋は空調完備だったらしい。ちょっとしたホテルよりすげえじゃねえか。  そして、この巨大迷宮『エーテル・ラビリンス』を舞台としたデスゲームが開始されたのだった――。
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