フォルディアの森で

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(まさか水龍の代替わり? だとしたら…………) と考えていると老人は更に 大変な事を告げた。 「なので水龍様は卵を守るため だと思って行動している為 こちらには手出しが出来ぬの です。そう我等一族が持つ魔力 その全てを合わせても足りぬ 程に…………」 『あぁ、龍は産卵期には感情が 高ぶり魔力の値が上がるらしい からな………』 とルディスが言うと、老人は 深く腰をおって掠れた声で ルディスに言った。 「どうか………どうか我等の 水龍様をアナタの魔剣で 倒して欲しいのです。」 ルディスは目を見開いた。 (そこまでの覚悟を持って来た のか………) 《この時代に神と祀られる龍 それを殺すのは神殺しと同じ であった。頼む事もまた然り》 老人の後ろに控えていた女が 進み出て言った。 「今の水龍様を排せば 次代の水龍様は私達が 育てる事が出来るのよ………」 次に女の横にいた男が 嘆くように言った。 「そうすれば……俺達はずっと 古代樹と共に生きて行く事が 出来るんだっ…………」
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