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武との会話から二週間。
一向に武の好きな人が分かんない。
あの人全然教えてくれない。
うーん・・・、誰なんだろう。
学校から帰ってきて、すぐにピグをやってみた。
すると。
なぜか武も同じ時にピグを始めた。
ナイスタイミング。
さっそく、武に聞いてみることにした。
「ねえ、誰なの?」
「じゃあ、今からヒントどんどん言ってくから当ててみろ」
「いいよー!」
「えっと、運動部じゃなくて、ショートカットじゃなくて、眼鏡はなし。」
「クラスは?何組?」
「うちのクラス。」
「おっけー。」
「で、席が後ろから二列目で、窓側らへんね。」
・・・まったく分かんない。
「ごめん、全然分かんない」
「バカじゃん」
「あ、わかった!あたしでしょ!」
「・・・・・・。んな訳ないじゃん」
「ですよねー。」
「じゃあおれ、ご飯だから。」
「うん、おやすみ。」
・・・結局今日も分かんなかった。
ほんと、誰なんだろう。
ていうか、なんでこんなに武の好きな人が気になってんの、あたし。
もしかして・・・好きになっちゃったの!?
・・・そんなわけないよね。
うん、ないない・・・。
翌日。
いつもみたいに武が教室にいる。
何でだろう。
いつもいるのに、今日はなんでこんなに気になるのかな。
ボーッとしていたら、プリントを落としてしまった。
「あ」
その時。
「はい。」
顔を上げると。
そこには武がいた。
「あ、ありがと。」
あー、ビックリした!
あれ?
なんでこんなにどきどきしてるんだろう。
ただ拾ってくれただけなのに。
これって。
もしかして。
「恋」なのかなあ。
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