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これでようやく確信に変わったのだろう
驚いた表情も隠さずにライターを凝視している
「貴方これからどうするつもり?
あんな質問するぐらいなんだからまだ来たばかりなんでしょ?」
旅でもして住み着く街なり国なり見つけるさと伝えた
焚き火に新しい木を入れるもう少しで肉も焼けそうだ
「無理ねこの世界の知識も無い人が生きて行けるとは思えないわ
魔法の知識も無い見たところ武器も無いのにどうやって身を守るの?」
武器ならあるさと伝えたときだった
森から全長三メートルはありそうな二足歩行の熊のような化物が現れたのは
全体的にくすんだ茶色をしていて腹の周りがベルトみたいに細く一本線になるように白い毛が生えている
だが決定的に熊と違うところがある
歩き方はどちらかというと熊よりゴリラに近いだろう
そして何より腕が全部で四本ある
なんだあの生き物は幸い森から出てきたところが離れていたから距離的余裕があるが明らかにこちらに気がついて向かってきている
まだここまで来るのに時間はかかるだろうが油断は出来ない
一番痛いのが知識が無いことだあの化物が何をしてくるか分からない
「何でこんな所でドーン何かに遭うのよ逃げなきゃ
いやダメ間に合わない魔法も一人だと火力が足りない」
どうしたら、と出来ることを考えては否定してを繰り返している
明らかに焦っているがパニックにならないだけ良いか
ナイロン素材のジャンバーの内側にホルスターで隠しすように持っていたコルトガバメントを構え残り二十メートル付近まで近づいて来ていたドーンに牽制で一発撃ち込む
当たらなくても驚いて逃げてくれれば良いと思って撃ったのだが運よく胴体の部分に命中
怯みそこでいったん足が止まったが驚かせると言う意味ではドーンより彼女に効果があったみたいだ
目を白黒させ座り込んでいる
「何してる!!攻撃は当たって今は止まってるが明らかに諦めてない座ってるとドーンとやらに襲われるぞ」
とドーンを警戒しながらも彼女を見るとプルプルと震えてこちらを見ていた
あっあっと言葉にならないぐらい驚いたのだろう明らかにパニックになっている
この武器を知らない彼女からしたら真横で爆発が起きたのと一緒か仕方無いとはいえここでパニックになるのは勘弁してほしい
これで彼女を守りながら戦わないといけない
面倒な事になった
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