954人が本棚に入れています
本棚に追加
平屋の一戸建て。
綺麗に手入れの行き届いた庭。
部長は玄関を開けて『ただいま』と声をかける。
「お邪魔しますぅ・・」
蚊の泣くような小さな声で挨拶をする。
庭同様、玄関内も綺麗だった。
花とか飾ってあるし・・・うちの実家の玄関と大違い。
乱雑に靴が脱ぎ捨てられている実家を思い出す。
「靴を脱がないと上がれない仕組みになってますよ」
いつまでも靴を脱がない私に部長が声をかける。
「わ、分かってます!」
慌てて靴を脱ぎ、部長の靴の横にチョコンと揃える。
それだけで、なんだかむず痒い感覚に陥る。
「あ、お帰り・・・いらっしゃい」
綺麗な女性が奥からやってきて部長と私を出迎えてくれた。
けど、なんか物凄く視線が冷たいんですけど。
ですよね。
こんな得体の知れない人物ですもんね。
最初のコメントを投稿しよう!