1 提灯に釣鐘

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「お邪魔します」 ペコっと頭を下げる。 「千尋、コレ姉」 突然名前を呼ばれてアタフタする。 部長に名前呼ばれる事は滅多にないからそれだけで幸せになる。 姉・・姉?姉! 「あ、あの始めまして、あの、長浜千尋です。 えっと部・・・勝也さんとおつ『お腹がすいたでしょ?みんな居るわよ』きあい・・・」 私の言葉を遮ってお姉さんはそう言うとそのまままた奥へと消えて行った。 「あの・・・」 帰りたいです! 物凄く帰りたいです! 「気にするな」 気になります! 「勝也さんね・・いつも呼んでくれると嬉しいんですけど」 「あれは!ご家族の前で部長とか呼んだら変かなって」 そう答えるとニコっと笑う部長。 ああ、もう、そのたまに見せてくれる笑顔が、堪りません!
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