1 提灯に釣鐘

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部長が出してくれたスリッパを履いて後を付いて行く。 一番手前の扉を開けると和室になっていて、そこには食事が乗ったテーブルが中央にあり、それを囲むように男性2人と女性が2人座っていた。 「遅いよ、兄貴!」 「急に呼びだしたのはそっちですけど・・・ 千尋、荷物」 「あ、あはい!」 部長に荷物を渡す私を見る、4人。 お姉さん以外の方の視線は気にならないんだけど・・・お姉さん怖いんですけど。 「父と母と姉と弟だ」 「あの、初めまして。 えっとあの長浜千尋ともも申します!」 ペコっと再び頭を下げる。 緊張し過ぎてカミカミだし。 「兄貴の彼女? 若いねぇ、兄貴より俺とつり合いとれそう」 部長と全然似てない、茶髪のちょっと軽そうな弟さん。 「ごめんなさいね。 急に呼びだして。 長浜さんもごめんなさい」 優しそうなお母さんがニッコリと微笑む。 部長と全然似てない。 お父さんは・・部長そっくり! 厳格そう。 部長も年とったら、こんな風になるんだろうな。 お父さん・お母さん・弟さんは部外者の私にも優しく接してくれた。
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