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「長浜さん」
眼鏡の奥の目がキランと光ったような気がしたのは私のきのせいではない・・・
こう言うとき『蛇に睨まれた蛙』という、ことわざを使うんだろうな。
と、現実逃避してみる。
「長浜さん」
返事をしない私にもう一度、それでいてさっきよりも荒い口調で名前を呼ばれる。
「は・・ひぃ・・・」
『はい』とハッキリ返事もできない、ダメな私。
「今日中に在庫を合わせますので、残業お願いします」
「は・・・ひぃ・・・」
「それでは、みなさんお疲れさまでした」
ガタガタと椅子を直してみんなが帰り支度を始める・・・のを恨めしい目で見送るしかない私。
「じゃ、千尋ガンバ」
笑顔で、同僚花音が去って行く。
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