1 提灯に釣鐘

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「頂きます」 部長の返事を聞いてから、インスタントのコーヒーを入れる。 ブラックなんてあんな苦いものよく飲めるよなぁと思いながら部長の前にカップを置く。 「疲れたぁ」 小さい声で呟いて、小物入れからチョコレートを取り出す。 一粒口に放り込む。 癒されるぅううう。 「よくそんな甘たらしいモノ食べれますね」 「部長こそよくそんな苦いもの飲めますね」 『ね』と同時に塞がれる唇。 塞がれてすぐに侵入してきた舌が私の舌を絡め取る。 「ん・・・」 「あまっ!」 唇が離れた瞬間、顔をしかめる部長。 「短縮されたデート時間どうやって償って貰いましょうかね」 「今、キスしたじゃないですか!」 「足りると思ってるんですか? だいたい、この時間サービス残業なんですが?」 それは!・・・申し訳ないと思ってます!
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