1 提灯に釣鐘

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「可愛い彼女に付き合っての残業なんだから楽しいと思いませんか?」 「残業が楽しい訳ないでしょ? 相変わらず、おバカですね。 さて、帰りましょうか? さすがにお腹がすきました」 シャツを戻して上着を着て、必須アイテム眼鏡を装着して、どこからどう見ても仕事出来ます男になると、さっさと部屋を出て行く部長。 「ちょ、カップ洗ってきますんで待ってて下さいよ!」 急いでカップを洗い、荷物を持って後を追いかける。 待っててって言ったのに! 「お疲れ様です」 守衛さんに挨拶をして従業員通用口から外へと出ると、喫煙所で煙草を吸っている部長の姿が目に入った。 「お待たせしました」 「本当に」 う!と顔をしかめるとニヤっと嬉しそうな顔になる部長。 「いいですね、その顔。 さ、どこに行きますか?」 煙草を消して、私の元へと歩いてくる部長。 微かに煙草の匂いが残ってる。 でも、不思議と嫌じゃない。 「何でもいいですは受け付けません」 先回りされました・・・
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