1 提灯に釣鐘

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時間は、21時を少し回った所。 「ちょっと肌寒いですね」 「もう11月ですからね。 左手が余ってます。 繋ぎますか?」 ヒラヒラと目の前を往き来する左手に飛びつく。 『本当に犬ですね』と部長が笑って、そのまましっかりと手を握ってくれた。 部長とお付き合いを始めて、3か月がたった。 仕事が出来る、イケメンをゲット!と私たちの関係を知る花音は言うけれど(一人だけ打ち明けた)、仕事もプライベートも結構厳しい人なんだよね。 なんで私?って思っちゃうし、よくなんで?って部長に聞くけれどいつも『どうしてでしょうね』としか答えてくれない。 でも、ちゃんと『お付き合いして下さい』って言われたから付き合ってるで間違ってないよね?
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