ラフィーナの旅立ちと異例なじけん

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クイール王子は、ネオスの王家の末王子だ。産まれたころから体が弱くあまり外にでない王子だったが、最近は寝てる割合が多い。 リィーの言葉を聞ける王子はこの世界の汚れに敏感なのだろう。 「エディー、久しぶりだな。」 ネオスの龍族の王のような存在、三目龍のティラーヌが城の中庭で迎える。 その横で守られるように眠っている小柄な龍はクリス、クイール王子の双子の妹の化身だ。 「お久しぶりです。ティラー様、姫が眠っているということはクイール王子もまたお休みになられてますね。」 やはりすぐには無理かと帰ろうとした時、呼びとめられた。「エディー、来ると思っていたよ。」 城の中に続く滝が流れ落ち回廊の前にクイールが立っていた。 「王子、お身体はだいじょうぶなのですか?」 前みた時はまだあどけない子供だった王子は背が伸びだいぶ大人にちかずいている。 「眠いけどエディーにリィー様のお言葉をちゃんと伝えなきゃいけない。クリスは寝てていいよ。」 首をあげた小さな龍を優しく抱きしめる。 龍はまた首をさげて眠りにつく。 「やはり顔色がよろしくない。」 ティラーヌが言う。 「だいじょうぶ。」 ティラーの大きな体に王子はよりかかるように座った。
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