プロローグ

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夏、温度39℃を超える炎天下の中、広さ3haの畑の草むしりをしている新沼農林高校の生徒一人がいた。 「あっつ……」 俺は雛木宏夏、高校一年16歳だ。何故このような事をしているかと言うと、昨日自宅に帰っている途中、偶然先生にタバコを吸っている所を見られて、普通は停学なのだが、特別生徒指導の先生に「停学だけじゃ生ぬるい」とか言って、二週間の強制労働をさせられているからだ。 正直いってめっちゃくちゃしんどい。時間を調べてみると開始時間朝7時から三時間が経過していたとはじめて気づいた。 俺は草むしりを始めた所を見てみる。 ………… 「はぁ…」 見なきゃ良かった。 嘘だろおい、まだ五ウネしか終わってないなんて。 五ウネだけって遅くね? と思った人、死んで詫びろ。 ウネの長さは全長100Mあるんだ。三時間でここまで来たのは奇跡に近いよ。 ウネとは野菜を植えるときに水捌けを良くするための土の山の事を言います。これをしないと野菜が水によって腐ってしまいます。
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