鉄棒の神様

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公園に着くと娘はすぐに鉄棒に向かった。どうやら幼稚園で坂上がりが出来なかったのが悔しかったらしい。私に似て負けず嫌いなようである。 「それじゃ、一人で頑張りなさい」 私は娘にそう言ってベンチに腰をかけた。娘のやりたい事はとりあえず一人でやらせてみる。それでも出来なかったら私が手助けをする。それが私の教育の仕方である。そうすれば自立性のある人間に育つだろう。 それにしてもここの公園は何も変わっていない。遊具なんか私の幼少の頃とそのままで、もう何年も時が止まっているように見える。 そんな事を思いながら目を閉じると私とここの公園との日々が蘇ってきた……
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