鉄棒の神様

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おかっぱ頭に小さくて真ん丸な目。背丈は当時の私と同じくらい。年齢も五、六歳に見えた。あの時は冬だったのに半袖のポロシャツ一枚に半ズボン。さらに裸足だったのを覚えている。 誰だろう?…… 私がそう思っていると彼はニタッと笑みを浮かべた。 そして鉄棒へ向かうと、彼はいとも簡単に坂上がりをやってのけたのである。 それは私が自らイメージした理想の坂上がりとピッタリ重なっていた。
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