偽りの君

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物音一つ立たない静かな部屋に丑三つ時噂の張本人がやってきた。 「ただいま~」 僕に気遣う様子も無くずかずかと部屋に入って来ては当たり前の様に僕の寝とる寝室に入って来た。 ー‥ぎゅうっ、 何の前触れも無く僕の小さな身体はおっきな身体に包み込まれた。 不意に感じる布団越しの微かな相手の温もり。 「‥章大、寝てもうたん?」 何時もより低く、でも甘い優しい声でそっと僕の耳許で囁いた。  
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