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「それにしても、なんでみんなあんなのがいいの?」
未だ機嫌が直らない私はついついトゲのある言い方をしてしまう。
「だって、あんなカッコいい子達普通にいないし。」
「そうだよ。私、あの二人が教室に入ってきた時、市原君と向井君かと思ったもん。」
「そんな褒めすぎ・・」
そんな事言うからあの二人が調子に乗るんじゃない・・。
そう思いつつも、マイクを手に持ちアイドルグループの歌を熱唱している二人に目を向けると、その笑顔はキラキラキラキラ輝いていて、いつも一緒にいる私でも思わずドキッとしてしまう。
確かにカッコいい・・。
よくよく考えてみると、私があの二人と一緒にいる事が不思議なくらい。ああいう出会い方をしていなければ、私はあの二人に声をかける事すらできなかったかもしれない。
「それにしても、いいなぁ、お母さんは。」
「えっ?何が?」
自分に話しかけられたと分かり、視線を隣の子に戻す。
「お母さんみたいな存在って、それだけ二人に愛されてるってことでしょ。」
「ええっ?」
一体どうしたらそんな発想がでてくるの?
驚いていると、別の子まで
「うん。私もそれ思った。」
何て言う。
「愛とかそういうことは関係ないと思うけど・・。」
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