第一章 出会い

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それから、授業を重ねるうちにだんだんと慣れてきたものの、心臓のバクバクは止まらない。 (これは、まさか・・・っ!!!本物の恋・・・?) 授業の度に毎回そう思った。 家に帰っても考えることは糸原のことばかり。 なにをするにしても(糸原先生だったらこんな風にするのかな?)(こういうシチュエーションだったら糸原先生はどんな風に思うのかな?) そんなことしか考えてなかった。 でも、私はそんな自分に気づくのが怖くて何も進めずにいた。 そんなある日、いつものように学校にいた時、友達のひとみとあいがこんな会話をしていた。 「私、好きな人ができたんだよねー。」 「え?そうなの??どんな人ー?」 「かっこいいよー!でも、その人と私、歳がちょっと離れてるんだー…。」 「別に歳の差なんて関係ないよ!で、名前はー??」 「えー。言うのー。…内緒だよ?糸原さんって言うの♪私の家の近くに住んでるんだー!」 「へー!なんかカッコ良さそうな名前だねー!!」 「でしょー!!」 …糸原?? もしかして…あの糸原先生? 「ねえ、ひとみちゃん!今話してた好きな人のことだけど、詳しく教えてくれるかな?」 私はとっさに二人の話の中に入って行った。 「文子にも聞こえてたんだー。まあ、文子ならいいよ!友達だし!」 「もしかしてさ、その糸原っていう人のしたの名前って『翔太』じゃない?」 「うん、そうだよ。なんでわかったの?文子すごい!!!」 その時、私の心がチクリと痛んだ。 でも…。ひとみには言えない。言ったらもうひとみとは友達でいられないような気がしたから。 「やっぱりそうだったんだ!その人のこと好きっていう人が私の周りにもいてさ。もしかしたらって思ったんだよね。」 「えー!ライバル?!やっぱり人気なんだなー…。カッコイイもんな…。」 「大丈夫だよ!ひとみなら大丈夫!!」 「ホント!?文子に言われるとうれしいよ!ありがとう!!」 ひとみの屈託のない笑顔が胸に刺さった。 でも、ひとみのおかげでわかったことが一つある。 私は糸原先生が好きだ。
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