○● ずっと… ●○

2/9
前へ
/10ページ
次へ
「そうだけど?」 「…だよな。南ならそうだわな。ちぇっ…つまんねえの」 岡はつまらなそうに展示品を自分の肩に乗せ試し始めた。 「岡は?」 「俺は肩凝りほぐし件…」 キョロキョロとまわりを見てから小さな声で 「愛を深める振動アイテムに使ってみようかと」 締まりのない顔で照れくさそうに言った。 「愛?えっ、振動?ちょ…こんなの入らないんじゃ?」 岡の手から奪い取るように握り締め、マジマジ眺める俺の様子を見て岡は吹き出した。 「こんなでかい太いの入れない入れない!てか南、きっと今ラブグッズの大人の玩具想像してるだろ」 「え?」 「あれはもっと小さいし細いの。まあ、中には可愛いチューリップ型もあるけど。これのカテとは一応別だから」 岡は笑って『南って涼しい顔して意外にHなんだあ』と耳元で囁いた。 俺は急に恥ずかしくなり下を向くと 「あんま南のこと知らなかったけど、おまえ結構面白い奴だったんだな」 こんなこと他人から言われたの初めてで驚くと同時に、少し感動してしまっている自分がいた。 これがきっかけで、公私共にタイプが全く違う俺達2人が一緒にいることが多くなり、多くの同僚を驚かせた。 一緒にいることが増えたことで岡の色んな面が見えてきた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加