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「そうだけど?」
「…だよな。南ならそうだわな。ちぇっ…つまんねえの」
岡はつまらなそうに展示品を自分の肩に乗せ試し始めた。
「岡は?」
「俺は肩凝りほぐし件…」
キョロキョロとまわりを見てから小さな声で
「愛を深める振動アイテムに使ってみようかと」
締まりのない顔で照れくさそうに言った。
「愛?えっ、振動?ちょ…こんなの入らないんじゃ?」
岡の手から奪い取るように握り締め、マジマジ眺める俺の様子を見て岡は吹き出した。
「こんなでかい太いの入れない入れない!てか南、きっと今ラブグッズの大人の玩具想像してるだろ」
「え?」
「あれはもっと小さいし細いの。まあ、中には可愛いチューリップ型もあるけど。これのカテとは一応別だから」
岡は笑って『南って涼しい顔して意外にHなんだあ』と耳元で囁いた。
俺は急に恥ずかしくなり下を向くと
「あんま南のこと知らなかったけど、おまえ結構面白い奴だったんだな」
こんなこと他人から言われたの初めてで驚くと同時に、少し感動してしまっている自分がいた。
これがきっかけで、公私共にタイプが全く違う俺達2人が一緒にいることが多くなり、多くの同僚を驚かせた。
一緒にいることが増えたことで岡の色んな面が見えてきた。
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