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「俺は、本当に好きになった相手とは付き合ったことがない」
「もしかして、年齢=彼女いない歴?」
岡は興味津々で俺を見ている。
「そう言うんじゃ…ないけど」
俺は目を伏せた。
「ふーん。もったいねえ。女子社員達言ってるぞ。『南君て目立たないけど、よく見たら奥ゆかしい眼鏡美人だよね』ってな」
「俺が?」
意外な話に目を上げると
「この前髪が鬱陶しいんだよ。フレームも今流行ってるのに変えて…いや、思い切ってコンタクトにしてみろよ」
岡は俺の眼鏡を外し『こっち方がいいぞ』と笑った。
「南が女なら、迷わずいってたかもな。ほら…前髪上げたら、結構美人だ」
髪を上げる指が心地よくて。
何気ない仕草が、何気ないセリフが…
どうしようもなく、俺を高揚させ満足させるとともに、さらに貪欲にさせていく。
岡ともっと一緒にいたい…
岡が欲しい…
岡を自分のものにしたい…
岡を俺だけのものに…
いったいどうすればいい?
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