○● ずっと… ●○

5/9
前へ
/10ページ
次へ
「俺は、本当に好きになった相手とは付き合ったことがない」 「もしかして、年齢=彼女いない歴?」 岡は興味津々で俺を見ている。 「そう言うんじゃ…ないけど」 俺は目を伏せた。 「ふーん。もったいねえ。女子社員達言ってるぞ。『南君て目立たないけど、よく見たら奥ゆかしい眼鏡美人だよね』ってな」 「俺が?」 意外な話に目を上げると 「この前髪が鬱陶しいんだよ。フレームも今流行ってるのに変えて…いや、思い切ってコンタクトにしてみろよ」 岡は俺の眼鏡を外し『こっち方がいいぞ』と笑った。 「南が女なら、迷わずいってたかもな。ほら…前髪上げたら、結構美人だ」 髪を上げる指が心地よくて。 何気ない仕草が、何気ないセリフが… どうしようもなく、俺を高揚させ満足させるとともに、さらに貪欲にさせていく。 岡ともっと一緒にいたい… 岡が欲しい… 岡を自分のものにしたい… 岡を俺だけのものに… いったいどうすればいい?
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加