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「南と飲みに行くのは初めてだな」
岡はにこやかに笑ってジョッキを軽く飲み干した。
「美味い?いくらでも飲めよ」
「サンキュー…ああ、スッとする」
そうだ、いくらでも飲めよ…
人気のない海辺のベンチへ酔い醒ましに誘い、フラフラと足元がおぼつかない岡を座らせた。
「岡…」
俺は岡と唇を重ねた。
「ん…み、南?ちょ…」
困惑の表情を浮かべる岡のベルトを素早く外しファスナーを下げ、跪き口に含んだ。
「やめ…南!」
俺を突き放そうとする腕に力を感じない。
(ほら…拒まない)
岡の熱い呼吸と高ぶりに、俺の体は喜びに震える。
舌を這わせた途端、短く声を出し、岡は自分を解放した。
俺の顔に放たれた岡の精が、ゆっくりとメガネや頬を伝う。
「なあ、俺のモノにならない?」
「どんな冗談だよ」
肩で息をする力の抜けた岡を見上げ、口元に流れてきたものを舌で舐め、初めて岡を味わった。
「美味しい…ああ…やっぱりダメだ。誰にも渡さない」
ハンカチで顔やメガネを拭き取り、岡の口に詰め込み…
「!!」
「ほら…これでどこにもいけない」
滴るナイフを片手に、痛みで悶絶した岡を見下ろし、俺は先ほどまで我が口内に収めていた岡に頬擦りをした。
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