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キンコンカンコーン…
講義終了の鐘が鳴った。
いつもなら、終わったことの開放感に浸りながら、この教室を出るのだが、今日は違う。
『じゃあ、瑠璃頑張って!ルンルルン~』
『ありがとう。じゃあ、また明日ね』
愛理は私とは裏腹に、デートの待ち合わせ場所に向かうため、スキップしながら、教室を出て行った。
すぐ、感情が表にだせるところが愛理の可愛いところでもある。
『あの、この資料を運んだらよいのでしょうか?』
机に並んでいるのは分厚い資料ばかりで、見るだけでも私は気が遠くなりそうだ。
『ああ。谷岡さんが持てる範囲で構わないから』
『はい、じゃあこれだけで』
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