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そんな優しい目で見つめられたら
忘れようにも忘れられない。
「わたし…太一くんがわからない
記憶にしてって言ったり
かと思えば約束は覚えてくれてたり…」
「だって俺はもう
優しくないから
昔の俺を期待されてたとしても
幻滅されるだけだし
……余計なショックも受けてほしくないし
突き放すのがベストだって思って」
「そんなわけないでしょ…」
やっぱり太一くんは
太一くんだ。
「……正直最初は
太一くん不良になってるし
待ってたのはわたしだけだったんだって
ショックだったけど…
でもそもそもあのとき
太一くんは不良から助けてくれたし
やっぱり優しいままなんだって思った
……たれ目だし涙ぼくろあるし」
「……そりゃ消えねーもん…」
太一くんは少しむすっとした顔をした。
「やなの?」
「やだ。
女っぽいから」
「そうかな、わたしは好きだけど…」
言ったあとから恥ずかしくなる。
好きとか、
軽々しく言うものじゃない。
太一くんも
何もつっこんでくれないし…
わたしは必死に話を振る。
「そーいえばっ!
太一くん頭いいんだね、
倉持くんが絶賛してたよ」
太一くんは何事もなかったように
涼が?と聞き返す。
「そーいえば
涼のこと好きなの?」
「うぇ??!」
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