心霊小話

追いつめられる

ある人(仮名:山野)が真夜中に丑の刻参りをしている女性に遭遇した｡ご存知の方も居るだろうが､丑の刻参りは他人に見付かると効果が無くなるらしい｡

女性は｢待て～!!殺してやる～!｣と物凄い形相で追い掛けて来た｡必死で夜道を逃げる｡逃げて逃げて…男女共同の小さなトイレに逃げ込んだ｡個室は一つだけ｡その中に入り鍵をかけた｡

女はドンドン扉を叩き｢出てこい!コラ!｣等暴言を狂った様に叫んでいたが暫くして静かになった｡
｢相手は女性…ドアを破って入っては来ないだろう｣と思ったが上からの侵入を警戒し夜が明けるのをドキドキして待った｡
外が明るくなり隙間から女性が居ないのを確認した｡トイレの中は静かだ｡山野さんはトイレから出ようとドアをグッと押した……が開かない｡鍵は外した｡でも何かがドアの前にあるらしく重い｡
｢あの女悔し紛れに何か置いていったのか?｣
山野さんはドアに体当りして無理矢理ドアを開けた｡
バァン!!!!ドサッ!!
ドアが開いたと同時に何かが落ちた

｢わぁぁぁ～!!!!!｣

落ちたのは女の遺体だった｡女性はドアの前で首を吊っていたからドアが開かなかったのです｡

【追いつめられる】終