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見ちゃダメ
ある夏の出来事である。
「見ちゃダメ!!」
その一言から始まった。
彼女との連絡が途絶えて2週間。心配になった俺は彼女のマンションに様子を見に行った。返事も無いし鍵が開いていたので勝手に入らせてもらった。
「ん……何か臭い」
彼女は俺が入って来たのを何と無く判ったらしく…
「見ちゃダメぇ!!来ないで~!」
リビングの方から声がする。
「確か、このドアを開けてリビングだっけ?」
一つのドアを慌てて叫ぶ彼女。一体何があったんだ。
「来ないで!見ないでぇ!!…」
……あまりにも大きい声で叫ぶものだから、その日はその場を去りました。
5日後
まだ連絡が無い。心配になって再びマンションを訪れた。
「……また鍵開いてるし」
少しドアを開けてみた…
「オェッ!?何だこの臭い匂いは?!おーいッ……アケミ!居るのか?」
……返事が無い。
仕方ないので突入。
リビングから臭ってくる。と思ったら、この前来た時よりリビングのドアが少し開いている。
開けた。
「………!!!!!」
言葉が出なかった。
彼女は首に縄を掛けてぶら下がっていた。
その後、警察を呼んだ。色々聞かれるが、その中で気になる事を言っていた。
俺「この前来た5日前は返事があったんです」
警察「あれ?おかしいですね」
俺「何が?」
警察「1ヶ月前なんですよ。検査報告書では…」
俺「何がですか?」
警察「ですから彼女……亡くなられてから」
多分、彼女は見られたく無かったのだと思います。
【見ちゃダメ】終
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