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見るな!!
終電を逃した俺は仕方なくタクシーに乗った。
運転手は話上手で疲れてはいたが運転手と話し込んでいた。
やがて車は山道に差し掛かった。俺自身は普段はあまり通ら無い道だが此処を通ると近いらしい。
暫く走ると急に運転手が真剣な顔になり「お客さん、これから暫くは絶対に外を見ないで下さい!」と言った。
俺は「なんで?」と思ったが真剣な顔の運転手に「は……はい」と素直に顔を伏せた。
真っ暗な山の中を走るタクシー……。「見るな」と言われた俺は外が気になりチラッと窓を見てしまった。
「ヒィッッ!!」
血まみれの男が窓に張り付いていた。ガタガタ震える俺をみて「お前じゃない!!!」と言って男は消えてしまった。
ブゥゥン……
車は速度を上げてその場を離れた。
「あ……あれは一体なんだったんですか?」
「だから見るなって言ったのに…」
運転手の話では、あの場所で男性がひき逃げされて亡くなったそうだ。
犯人はまだ捕まっておらず、亡くなった男性が犯人を探して車に張り付くそうだ。
今日も誰かの車に………
【見るな】終り
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