深夜徘徊

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深夜徘徊

【深夜徘徊】*前編* JRと私鉄の最終接続に乗り遅れ、タクシーで最寄り駅まで帰る事になった。 どういう訳か2駅先の駅に降ろされた時には深夜1:30だった。 俺は仕方なく線路沿いの道を歩く事にした。 20分程たった頃、前方からガラガラと音がした。 見ると老人がよく買い物や散歩の時に押している「手押し車」(蓋付きで荷物を入れられ椅子代わりに座る事も出来るヤツ)を押す老婆だった。 「うわっ!なんだ婆さんかょ?……生きてる人だよな?足もあるし…」 ガラガラ……ガラガラ…… 手押し車の上にビニール袋をのせている。 深夜の散歩だろうか? 「やだなぁ……こんな時間に散歩するなよ」 俺は煙草を吸いながらチラチラ老婆を見た。老婆は黙ったまま通り過ぎていった。 最寄り駅に着いたのは深夜2:00過ぎだ。 腹も減ったがコンビニに寄る気力もなく商店街を過ぎ自宅がある通りに向かった。 商店街を過ぎて暫く歩き左に曲がると50メートル程に自宅アパートがある。 「やれやれ」と思っている俺の耳に嫌な音が聞こえた。 続く
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