深夜徘徊

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【深夜徘徊】*後編* 10分程前に聞いた手押し車の音がする。 何だか嫌な予感がした。左に曲がりたくない。しかし、曲がらなければ帰れない。仕方なく曲がると前方に手押し車を押す人物が見えた。 「何で年寄りは夜中に徘徊するんだよ?」 恐怖と怒りが入り交じった気持ちでジッと前方を見た。 ガラガラ……ガラガラ…… 段々と近付く姿を見て凍りついた。 手押し車の上にビニール袋をのせて歩く老婆…… さっき擦れ違った老婆とソックリそのままの姿だった。 「嘘だろ??」 恐怖で固まる俺の横をガラガラと手押し車を押して老婆は通り過ぎて行った。 「……んだょ…脅しやがって…」 ホッとした俺が煙草を吸おうと口にくわた時だった。 「心配しなくても、お前には何もしないよ」 耳元で老婆の声がした。 【深夜徘徊】終り
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