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「荒木ー!!」
工藤くんが大声で呼ぶと、荒木くんはゆっくりと振り向く。
うっ。
やっぱり、わたしにはすっごくかっこよく見える。
夕陽が荒木くんの髪に透けて、傷んだ髪が少し茶色くなっている。
わたしたちは荒木くんのもとへ駆け寄り、笑顔で話しかける。
「これから一緒にモス行かない?」
わたしが言うと、少しだけ荒木くんの顔が歪んで。
「この可愛い女の子二人と行けるなんて、貴重だぞー」
「工藤くん!」
そんなこと言ったら、行ってくれないに決まってる。
荒木くんの顔を見ると、眉間にシワを寄せ明らかに不機嫌そうな表情。
最悪……。
「ほら、新発売されたのもあるし!お金ないなら、わたし奢るからさ」
奢るなんて、他の人には絶対しないのに。
こんなに必死になっちゃうのは、荒木くんが好きだから。
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