◆荒木くん◆

5/8
前へ
/168ページ
次へ
「わおっ!これすんごい美味しい!」 考えを紛らわすために、モスの新作を口の中へ詰め込む。 「マジで!一口くれっ」 つっちーがわたしのモスバーガーに食らいつく。 「んんっ!ぅんめえ」 「ちょっとつっちー、食べ過ぎっ」 4分の1食べられた。 ちょっとむかつく。 「つっちーのやつもらい!」 「ぎゃ!半分も食いやがったな」 「むふふ」 わたしたちが騒いでいる片隅で、工藤くんは無言。 わたしと同じ新作頼んでたのに、全然進んでない。 つまんない思いさせちゃったかな。 「あの、工藤くん。食べないの?」 わたしが声をかけると、工藤くんは突然わたしをじぃっと見つめて。 「!?」 おどおどすると、工藤くんはぷっと吹き出す。 「ずっと観察してたけど、橋本やっぱ可愛い」 「へ?」 ずっと観察?見られてたってこと? 熱が顔に集まってくるのを感じる。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加