◆荒木くん◆

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思わずわたしは顔を上げる。 工藤くんは、真顔。 いつも笑顔だから少し違和感を覚える。 「…どうして?」 「なんとなく。荒木を好きになっても辛いだけだと思うよ。あいつ、なんか絡みづらいし」 なんで、そんなこと言うの? そんなの、自分が一番痛感してるのに。 他人にどうこう言われたくない。 「わかってるよ。今もずっと辛い」 「なら…」 「でも、好きな気持ちは消せないの。コントロール出来ない!」 本当は。 すごく悲しかった。 さっきの荒木くんの視線。 「お前は嫌い」そう言っているような気がして。
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