◆荒木くん◆

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「簡単にやめられるなら、とっくにやめてる。だけど、どうしても好きなの」 荒木くんのことが。 自分でも、どうしてこんなに好きなのかわからない。 この確かな気持ちの置き場はどこにもなくて。 どこにぶつければいいのかも、わからない。 「橋本…」 はっと我に返る。 しまった、興奮しすぎた。 つっちーも工藤くんも引いているはず。 羞恥心で二人の顔を見れない。 わたしはその場から逃げるように、早口で言う。 「ごめん!わ、わたし帰るね!」 「えっ、ちょっと待っ…」 「ちとせ!?」 新作のモスバーガーを、半分以上残して駆け出す。 後悔と複雑な気持ち。 なんであんなこと言っちゃったんだろう…
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