◆どうしても◆

1/4
前へ
/168ページ
次へ

◆どうしても◆

次の日。 わたしは教室の扉の前で、うろうろしていた。 昨日のこともあって入りづらい… 荒木くんはもちろん、工藤くんにも合わせる顔がない。 どうしようか… 「橋本っ!はよ」 聞き慣れた声がして、ゆっくりと振り向く。 目の前には制服のブラウス。 視線を上に持っていく。 「工藤くん…」 工藤くんはいつもと同じ笑顔でわたしを見下ろし、教室の扉に手をかける。 「入んねぇの?」 「入ります」 たった今、悩みの種が消えたから。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加