◆橋本ちとせ◆

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「荒木くん、おはよ!」 「……はよ。」 もうすぐ、夏。 今日も相変わらず気温は高く、じっとしているだけで肌にじんわりと汗が滲んでゆく。 「あ、ちとせじゃん。はよっすー」 「はよう。つっちー」 「てか、今日も荒木に挨拶してたっしょ?あんたも懲りないね~」 「一応返してくれるし。わたし、負けず嫌いなんだよね」 わたし、橋本ちとせ(ハシモトチトセ)。 自分の名前が嫌い。 ちとせっていつの時代の名前だよ?って思う。 思春期の時は、お父さんとおかあさんに八つ当たりしたこともあったっけ。 「せいぜい頑張んなさいな~」 とか適当に言ってるのは、親友の土田佳子(ツチダカヨコ)。 通称、つっちー。
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