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「荒木くん、おはよ!」
「……はよ。」
もうすぐ、夏。
今日も相変わらず気温は高く、じっとしているだけで肌にじんわりと汗が滲んでゆく。
「あ、ちとせじゃん。はよっすー」
「はよう。つっちー」
「てか、今日も荒木に挨拶してたっしょ?あんたも懲りないね~」
「一応返してくれるし。わたし、負けず嫌いなんだよね」
わたし、橋本ちとせ(ハシモトチトセ)。
自分の名前が嫌い。
ちとせっていつの時代の名前だよ?って思う。
思春期の時は、お父さんとおかあさんに八つ当たりしたこともあったっけ。
「せいぜい頑張んなさいな~」
とか適当に言ってるのは、親友の土田佳子(ツチダカヨコ)。
通称、つっちー。
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